

目と耳に使う薬には、涙液を補う薬、眼圧を下げる薬、アレルギー性の目のかゆみを抑える薬、耳の炎症などに用いる点耳薬があります。目や耳の症状は、乾燥、感染、炎症、緑内障、内耳疾患など原因が幅広く、見え方や聞こえ方に関わる重要な症状でもあります。
視力低下、視野の急な変化、強い眼痛、目の外傷、急な難聴、激しいめまい、耳だれや発熱を伴う耳痛などでは、早急な診察が必要になることがあります。市販品を含めた自己判断の継続は避け、眼科・耳鼻咽喉科で原因を確認することが大切です。
| 種類 | 成分の例 | 用途と役割 |
|---|---|---|
| 人工涙液・角結膜保護薬 | 精製ヒアルロン酸ナトリウム、ジクアホソルナトリウム | ドライアイなどで涙液や角結膜の状態を整え、眼表面を保護する |
| プロスタグランジン関連薬 | ラタノプロスト、タフルプロスト | 房水の流れを調整して眼圧を下げ、緑内障・高眼圧症で用いる |
| β遮断薬・配合点眼薬 | チモロールマレイン酸塩、ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩 | 房水産生の抑制や流出促進を通じ、眼圧を下げる |
| 炭酸脱水酵素阻害薬 | ドルゾラミド塩酸塩、ブリンゾラミド | 房水の産生を抑え、眼圧下降を目的に用いる |
| 抗アレルギー点眼薬 | オロパタジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩 | アレルギー性結膜炎のかゆみ、充血などを抑える |
| 耳鳴・めまい関連薬 | ベタヒスチンメシル酸塩、イソソルビド | メニエール病に伴うめまいなど、製品ごとの承認適応に応じて用いる |
ドライアイでは、涙の量だけでなく、涙の質、蒸発しやすさ、角結膜の傷つきやすさなどが関係します。精製ヒアルロン酸ナトリウムは眼表面の保水や保護に用いられ、ジクアホソルナトリウムは涙液成分の分泌に関わる働きを持ちます。コンタクトレンズの種類や目の状態によって点眼の扱いが異なることがあるため、使用中のレンズを必ず伝える必要があります。
緑内障や高眼圧症に使う点眼薬は、眼圧を下げることで視神経への負担を減らすことを目的とします。プロスタグランジン関連薬は房水のぶどう膜強膜流出を促す薬で、ラタノプロストやタフルプロストが代表例です。β遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬は、主に房水産生を抑える方向で働きます。
眼圧を下げる薬は、目薬であっても全身に影響することがあります。たとえばチモロールを含む薬では、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、心拍数が遅い状態などとの関係を確認する必要があります。緑内障の病型、目の状態、他の病気、併用薬を踏まえて、単剤または配合剤が選ばれます。
耳の症状に用いる薬は、対象疾患によって大きく異なります。たとえば、めまいではメニエール病などの内耳疾患、脳や循環器の病気、薬剤の影響なども鑑別対象になります。ベタヒスチンやイソソルビドには、特定のめまい疾患に関する承認適応がありますが、すべてのめまい・耳鳴りに使う薬ではありません。
外耳炎や中耳炎に用いる点耳薬では、鼓膜の状態や感染の原因により薬の選択が変わります。耳に液を入れることが適さない場合もあるため、耳だれや強い痛みがあるときは、残っている点耳薬を自己判断で使わないことが重要です。
眼科用薬の中心は点眼液ですが、懸濁性の点眼薬、ゲル化する薬、眼軟膏などもあります。複数の点眼薬を使う場合は、薬が流れ出たり薄まったりしないよう、点眼間隔を必要に応じて空けます。具体的な間隔は薬の組み合わせで異なるため、医師・薬剤師の説明を優先します。
点眼後は、目頭を軽く押さえる閉瞼・涙嚢部圧迫が案内されることがあります。薬が鼻涙管から流れて全身へ移行する量を減らす目的です。容器の先端をまぶた、まつげ、目に触れさせないことも、汚染を防ぐうえで重要です。
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