


「コナリス」は単一成分名ではなく、複数の一般用医薬品に用いられている製品ブランドである。医療従事者が患者から「コナリスを飲んでいる」「コナリスを塗っている」と聴取した場合、名称だけで薬剤を特定してはならない。少なくとも、内服か外用か、製品名の末尾、剤形、使用目的、使用頻度、他の鎮痛薬・かぜ薬の併用状況を確認する必要がある。
代表的な製品として、コナリスIPsは指定第2類医薬品に区分される内服の解熱鎮痛薬であり、奥田製薬が製造販売元、グロー薬品工業が販売会社とされる。一方、コナリス1.0%液は第2類医薬品の外用鎮痛消炎薬で、インドメタシンとl-メントールを有効成分とする。この両者は剤形、配合成分、適応症、年齢制限、禁忌・注意事項が異なるため、薬歴、問診票、持参薬確認の場面では製品現物または外箱・スマートフォン画像による確認が望ましい。
参考)一般用医薬品 : コナリスIPs
PMDA 医療用医薬品 添付文書等情報検索
コナリスIPsは、頭痛、歯痛、生理痛、咽喉痛、関節痛、筋肉痛、神経痛、腰痛、肩こり痛、抜歯後の疼痛、打撲痛、耳痛、骨折痛、捻挫痛、外傷痛の鎮痛、および悪寒・発熱時の解熱を効能・効果とする内服薬である。主成分はイブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインの3成分であり、痛みや発熱を訴える患者のセルフメディケーションにおいて使用されうる。
イブプロフェンはNSAIDsに分類される解熱鎮痛消炎成分で、プロスタグランジン産生を抑制することにより鎮痛・解熱・抗炎症作用を示す。アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮痛補助成分として配合され、無水カフェインは鎮痛補助を目的とする。患者が「市販の頭痛薬」と認識していても、NSAIDsを含む複合製剤であること、眠気等への注意が必要になりうる成分を含むことを前提に聴取・指導する必要がある。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 製品区分 | 指定第2類医薬品、内服用解熱鎮痛薬 | OTC医薬品として薬局・店舗販売業等で取り扱われる |
| 主な有効成分 | イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン | NSAIDs含有の複合鎮痛薬として重複投与を確認する |
| 対象年齢 | 15歳以上 | 15歳未満は服用しない |
| 1回量 | 2錠 | 水またはぬるま湯で服用する |
| 服用回数 | 1日3回を限度 | 服用間隔は4時間以上空ける |
| 服用時の注意 | なるべく空腹時を避ける | 胃腸障害リスクを踏まえて説明する |
用法・用量は、15歳以上で1回2錠、1日3回までであり、各服用間隔は4時間以上空ける。なるべく空腹時を避け、水またはぬるま湯で服用する。短時間で十分な鎮痛が得られない場合に、自己判断で服用回数や1回量を増やすことは避けるよう説明する。特に、疼痛の原因疾患が未評価のまま反復使用している患者では、薬剤選択の問題だけでなく、二次性頭痛、急性腹症、感染症、整形外科的疾患などの見逃しにも留意する。
参考)コナリスIPsの基本情報・添付文書情報 - データインデック…
コナリスIPsの服薬指導では、イブプロフェンを含むNSAIDs製剤である点を中心に、既往歴、アレルギー歴、妊娠の可能性、併用薬、症状の経過を確認する。患者は「同じ成分とは知らず」に複数の市販薬を併用することがあるため、商品名だけではなく、かぜ薬、解熱鎮痛薬、頭痛薬、月経痛薬、整形外科や歯科で処方された鎮痛薬の使用状況を具体的に問うことが大切である。
NSAIDsにより喘息発作やアレルギー症状を起こした既往、消化性潰瘍や消化管出血の既往、腎機能障害、心機能・肝機能に関わる病態などは、安全な自己使用を考えるうえで重要な情報となる。また、抗凝固薬、抗血小板薬、ステロイド、利尿薬、降圧薬などを使用している場合は、出血、腎機能、血圧、相互作用の観点から、OTC自己選択の適否を慎重に検討する必要がある。実際の判断は、患者背景と最新の添付文書に基づき、薬剤師または医師が個別に行う。
副作用の初期症状を「市販薬だから軽い」と過小評価しないよう伝えることも重要である。例えば、蕁麻疹、咽頭違和感、呼吸苦といった症状は重篤な過敏症の前兆となる可能性があり、服用継続を勧めるべきではない。患者の訴えが頭痛であっても、突然発症した激烈な頭痛、麻痺やろれつ不良、意識障害、発熱・項部硬直を伴う頭痛では、市販薬による経過観察より緊急性の評価を優先する。
コナリス1.0%液は、インドメタシンとl-メントールを含む外用鎮痛消炎薬である。効能・効果は、筋肉痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、関節痛、腱鞘炎に伴う手・手首の痛み、肘の痛み、打撲、捻挫である。内服のコナリスIPsと異なり、局所に塗布して使用する製剤であるため、疼痛部位と皮膚の状態、使用部位、塗布頻度、皮膚症状の有無を中心に確認する。
参考)コナリス1.0%液の基本情報・添付文書情報 - データインデ…
用法は1日4回を限度として適量を患部に塗布する。11歳以上の小児に使用させる場合は、保護者の指導監督下で使用することとされている。目に入らないよう注意し、万一眼に入った場合には水またはぬるま湯で洗浄し、症状が重い場合は眼科を受診する。外用専用であり、内服や粘膜への使用をしないことは、基本事項である一方、セルフケア製品では見落とされやすいため明確に説明したい。
外用NSAIDsは局所投与であっても、皮膚障害や全身性の影響を完全にゼロにはできない。発赤、発疹、かゆみ、刺激感、腫脹などの皮膚症状が出現した場合は使用を中止し、必要に応じて医療機関受診を勧める。皮膚に傷、湿疹、強い炎症がある部位への使用の適否も確認する。外傷後の強い腫脹、変形、荷重不能、しびれ、可動域の著しい制限がある場合には、捻挫や打撲と自己判断して外用薬のみで様子を見るのではなく、骨折、腱・靱帯損傷などを考慮して受診勧奨を行う。
本剤塗布後の患部をラップフィルムなど通気性の悪いもので覆わないこと、1週間当たり50gを超えて使用しないことも使用上の注意として押さえる。いわゆる密封包帯法に近い状態は薬剤の吸収や皮膚刺激に影響するおそれがある。貼付剤、塗布剤、温感製剤、冷感製剤、サポーター類を同一部位に重ねて使う患者もいるため、具体的なセルフケア方法まで聞き取ることが安全管理につながる。
「コナリス 薬」に関する相談では、薬剤情報を一方的に伝えるだけでは不十分である。患者が求めているのは、頭痛や生理痛への内服薬選択なのか、腰痛・肩痛への外用薬使用なのか、既に使った薬による副作用への対応なのかを最初に切り分ける。製品名の聞き違い、旧製品との混同、家族の薬の流用、複数店舗で購入したOTC製品の重複は、いずれも現実的なリスクである。
聞き取りの基本は、「何の症状に」「いつから」「どこに」「どの製品を」「どの程度」「他に何を使っているか」である。内服製剤であれば、最終服用時刻、同日に服用した解熱鎮痛薬・かぜ薬・処方薬、胃痛・喘息・アレルギーの既往を確認する。外用製剤であれば、塗布部位、皮膚の状態、塗布回数、包帯・テーピング・サポーターによる被覆の有無、外傷機転、腫脹や運動障害の程度を確認する。
情報提供では、「痛いときだけ使う薬」ではなく、「用法・用量を守り、症状が改善しない場合や異常がある場合には中止して相談する薬」であることを明確にする。コナリスIPsについては、15歳未満が服用対象外であること、1回2錠・1日3回まで・4時間以上の間隔・空腹時を避けることを、数値を含めて具体的に伝える。コナリス1.0%液については、1日4回までの外用、眼に入れないこと、通気性の悪いもので覆わないこと、1週間50gを超えないことを説明する。
医療従事者向けのコンテンツとしては、コナリスを「内服鎮痛薬」または「外用鎮痛薬」のどちらか一方と断定しない表現が重要である。製品名に続く「IPs」「1.0%液」などの識別情報を確認し、添付文書・パッケージ表示に基づく最新情報へ誘導する構成にすることで、患者の誤使用防止と医療安全に寄与できる。OTC医薬品は処方箋なしで入手できる一方、使用者の背景によっては専門的評価が必要となるため、受診勧奨と薬剤師相談の導線を本文中に自然に組み込むことが望ましい。